どうもこんちは、Kです。
今回はつみたてNISAのメリット・デメリットについて解説していきます。
利益が出ても税金がかからないつみたてNISAは大変お得な制度ですが、けっしてメリットだらけではないです。
普段使う特定口座・一般口座に比べて、つみたてNISAはいろいろと融通がききづらい点もあります。始める前にきちんと知っておいた方が良いです。
結論、つみたてNISAはデメリットも多いですが、それをカバーするだけのメリットもあります。
本記事ですべて書きだしたので、ぜひぜひ参考に。
<デメリット>
1、含み損で課税口座に移るとその時価が新たな取得価格になる
2、選べる銘柄(投資信託)が限られる
3、一括購入不可で積立オンリー
4、非課税枠の再利用ができない
5、特定口座ならできる損益通算など不可
6、金融機関を1つしか選べない
<メリット>
1、利益が非課税で、非課税期間も長い
2、月100円から始められて、いつでもストップできる
3、いつでも払い出しOK
4、年齢の上限なし
目次
1.つみたてNISAのデメリット
①含み損で課税口座に移るとその時価が新たな取得価格になる
上記はNISA口座の例になっていますが、つみたてNISAでも同様です。
これはつみたてNISAに限らずNISAでも同じですが、非課税期間中に値上がりした分については課税口座に移るタイミングで新しい取得価格となります。
上記の例で言うと、当初の購入価格120万円が新しい取得価格150万円になっても、差額30万円については課税されないというわけですね。
一方で、購入価格より新しい取得価格が下がっていたケースではどうでしょう。
上記の例では、購入価格120万円より値下がりしたため、課税口座に移るタイミングで取得価格が100万円になりました。
するとその後、130万円に値上がりした際は、新しい取得価格100万円との差額30万円が課税されてしまいます。
もともとの購入価格は120万円だったので、本来は10万円しか課税されないはずなのに悲しいですね。
このように、含み損を抱えたまま課税口座に移ると、その時価が新たな取得価格になってしまうので注意しましょう。
つみたてNISAは非課税期間20年間なので、ずっとホールドした状態で20年後に含み損になっているケースは考えづらいですが、大暴落など万が一の可能性はありますからね。
②選べる銘柄(投資信託)が限られる
つみたてNISAの対象である投資信託は160本程度と厳選されている分、選べる銘柄が限られています。
たとえばできるだけリスク(値動きの幅)を抑えようと思って債券100%の投資信託を選ぼうと思っても、現状つみたてNISAには無いんですね。
リスク別におすすめの投資信託はこちらの記事で紹介してますので、ご参考に。
③一括購入不可で積立オンリー
つみたてNISAは、その名の通り積立しか選べないので、一度にドカンと買う事ができません。
一方、通常の一般NISAは一括購入も積立も可能です。
ただし投資ビギナーは、そもそも積立がしたくてつみたてNISAを選んでいる方も多いと思うので、これは正直大したデメリットにはならないとは思います。
私もいったん設定した積立のまま、何も変えずにほったらかしにしています。
④非課税枠の再利用ができない
つみたてNISAは年間40万円の非課税枠があります。
この枠は使いきりのイメージなので、たとえばその年に購入した投資信託を年内に売却し、空いた枠を再利用する事はできません。
売却せずにひたすら積立するなら特に気にしなくて良いですが、一応覚えておきましょう。
また年間の非課税投資枠の未使用分は、翌年以降に繰り越せないのでご注意。
⑤特定口座ならできる損益通算など不可
損益通算とは?
たとえばA投資信託で10万円損した時に、B投資信託で10万円利益が出ていれば損失と利益を相殺して税金を減らす事ができる。
異なる証券会社の口座同士でも可能。
普段使用する特定・一般口座とつみたてNISA口座での損益通算はできません。
この辺りはなかなか融通が利かない点なので、事前に知っておく必要がありますね。
また損失の繰越控除(3年間)もできません。
おそらくはつみたてNISAの制度設計上、短期間で売らないようにできるだけ長期で持たせようとした結果、損益通算も損失の繰越控除も不可とした狙いがあると思います。
つみたてNISAは長期保有を狙いとした制度なので、仕方ないかもしれませんね。
⑥金融機関を1つしか選べない
NISA口座もつみたてNISA口座も基本、1人1つしか作る事ができない上、同じ年に同時利用も不可です。
なのですでにNISA口座を開設した人は、いったん手続きしないとつみたてNISA口座が使えないので気をつけましょう。
ちなみに口座開設する金融機関は、ネット証券での開設がベターですよ。
楽天証券はコストが安くポイントも貯まりやすいので自信を持っておすすめできます。
当初は自分もNISAをメガバンクで開設してましたが、楽天証券に移す際はかなり手間(3週間~1ヶ月くらいかかった)なので、最初からネット証券を選んでいきましょう。
2.つみたてNISAのメリット
①利益が非課税で、非課税期間も長い
たとえば投資で得た利益を10万円とします。
このうち、20.315%が税金として取られてしまいますので、あなたの手元に残る利益は8万円程度です。
しかしつみたてNISAを使うと得た利益に税金がかからないので、あなたは10万円まるまる利益として得る事ができるのです。
これが最大のメリットであり、気軽に投資を始めてみようというきっかけにもなると思います。
②月100円から始められて、いつでもストップできる
これは金融機関にもよりますが、たとえば楽天証券なら月100円と少額から始める事ができます。
ちなみに上限は月33,000円で、できるなら限度額いっぱいの33,000円で積立するのが良いと思います。
また積立はいつでもストップする事ができるので、続けやすいですね。
③いつでも払い出しOK
NISAもつみたてNISAも、いつでも現金化して払い出す事ができます。
これがiDeCo(個人型確定拠出年金)だと、60歳まで引き出せない資金拘束があるので、つみたてNISAなら万が一の時にもすぐ対応できるんですね。
ただし、つみたてNISAは非課税期間が長い分、長期間で持っていると値上がりが期待できるので、基本的には売却せずにずっと保有しておくのが大事ですよ。
④年齢の上限なし
NISAもつみたてNISAも、20歳以上の国内居住者ならだれでも開設できるため、利用できる年齢の上限がありません。
そのため、60歳以上の方でも、つみたてNISAを活用する事ができます。
先ほどのiDeCoだと、加入できる年齢は20歳以上60歳未満という制限があるんですね。
(ただしiDeCoは所得控除などの点でNISAよりお得なメリットもあります)
3.メリットとデメリットを踏まえて、つみたてNISAはおすすめか?
<デメリット>
1、含み損で課税口座に移るとその時価が新たな取得価格になる
2、選べる銘柄(投資信託)が限られる
3、一括購入不可で積立オンリー
4、非課税枠の再利用ができない
5、特定口座ならできる損益通算など不可
6、金融機関を1つしか選べない
<メリット>
1、利益が非課税で、非課税期間も長い
2、月100円から始められて、いつでもストップできる
3、いつでも払い出しOK
4、年齢の上限なし
つみたてNISAのメリットとデメリットを改めてまとめました。
まとめてみても、つみたてNISAはおすすめできる制度だと言えます。
たしかに普通の特定口座・一般口座に比べ、融通が利かない点などデメリットは色々あるんですが、それもつみたてNISAの制度設計上やむを得ない部分が多いと思うからです。
一方で、利益が非課税で、さらにその非課税期間も長く取れるというのはかなり大きなメリットと言えるでしょう。
特に投資初心者は基本的にコツコツ積立していくスタイルが向いているので、つみたてNISAは相性が良いと思います。
一度始めさえすれば、その後の手間はほとんどかからないので、トータルで考えてもお得な制度であることは間違いないですね。
4.つみたてNISAの非課税メリットはどれくらい得?検証してみた
出典:モーニングスター
つみたてNISAの最大の特徴である非課税メリットは、実際どれくらい得なのか。
例として、全世界株式100%のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が連動するACWIのチャートで検証してみました。
2006年から2015年までの10年間、積立した時のパフォーマンスを表でまとめてみます。
各年の12月末日の数字を購入単価として拾ってます。
購入額は分かりやすく、1,000で統一しました。
上記のように、10年続けていればトータルリターンは+10.1%になりました。
つまり年間40万円で積立しておけば、10年後は元本400万円で40万円の利益になっていたというわけですね。
単純計算すると、この利益40万円に約20%の税金がかかるので8万円が取られます。
しかしつみたてNISAなら、40万円まるまる利益として得る事ができるイメージですね。
こうやって考察してみると、やはりつみたてNISAの非課税メリットはかなり大きい事が分かります。
デメリットも色々とありますが、使わない手はありませんね。
5.まとめ:【つみたてNISA】6つのデメリット・4つのメリット
最初にお伝えした通り、つみたてNISAは大変お得な制度ですが、けっしてメリットだらけではありません。
これから始める方はきちんとデメリットも知っておかないと、「それは知らなかった…」と将来後悔してしまうかもしれません。
特にどこで口座開設して始めるかは慎重に検討するようにしましょう。
つみたてNISAのメリットとデメリットをしっかり抑えて、あなたも今から始めてみて下さい!
ではでは!